アグリティーチャーリスト #3 ー 谷口さん ー
アグリティーチャーリスト
#3 谷口さん
様々な農作物がある中で「果樹の良さ」や「大変なところ」を教えてください!
良さとしては、みかんの価格は安定しているので「収益の見込み計算がしやすい」特徴があります。
大変なところは、自然災害の影響をもろに受けるということ。ただ、土地に関して言えば、南島原はみかん作りにとても向いていると思います。山間部が多く、それに水捌けもいい。他にもみかんの産地は色々ありますが、南島原は負けないんじゃないですかね。
私が今までやってきた中で、”大切だと思うポイント”が3つあります。それは、天(天候)、地(土地)、人(人材)です。この3つが揃うことで南島原市はもっと良い みかん産地になると思いますよ。
どのような意識を持って、みかんの栽培をしていますか?
私は、買い手のターゲットは「若い人」だと思っています。そのため、とにかく美味しいみかんを作る。例えば、子供は糖類の多いお菓子をたくさん食べるでしょう?じゃあ、私はお菓子に負けない甘いみかんを作ってやろうと。”お菓子より美味しいみかんを作る”という意気込みで、みかんを作っています。みかんは手を入れた分だけ美味しくなりますからね。
そして、日々よく【観察】することも大事。今の状態で「何か不足しているものはないか」をよく観察します。また、毎年バランスよく収穫するには肥料が大事なのですが、これもまた難しい。肥料は与えすぎると味が悪くなってしまいます。日々の観察や経験値が美味しみかんを作るので、ぜひ情熱を持った人に挑戦していただきたいですね。
研修1期生とのやりとりで見えた、農業の良さとは?
1期生の二人には、最初「マルチ張り」と「収穫」の2つの作業をしていただきました。「マルチ張り」は、一番と言ってよいほどきつい作業かもしれません。ただ、せっかく農業に携わったのなら長く続けていただきたいと思うので、表面上の良いことばかり伝えるのではなく、こういうキツい作業もあるんだということを早めに知っておいてもらうことも、大事だと思いました。
でも彼らは黙々とその作業をこなしてくれましたし、暑い中の作業でも『暑いけど、会社勤めよりこっちの方が良い』なんて言ってくれました。農業は肉体労働だけど、複雑な人間関係もないし、精神的に大変ということも多くはないと思うので、そういうところは農業の良いところですよね。
これからの農業の始める人へのアドバイスは?
これからはドローンの活用が見込まれますよね。ということは、ドローンに対応する畑作りをしておいた方がいいということ。あと、既存のやり方にこだわらないことですかね。
研修1期生は異業種から来てくれているんですが、私たちと視点が違うんですよ。そして新しい発想がポンポン出てくる。そういうのを聞いていると、現役の私たちにとっても、とても刺激になります。農業を取り巻く環境は昔と変わってきているので、そういう異業種ならではの発想も大事にして欲しいと思います。
そして、みかん栽培は後継者が減っているから、捉えようによっては非常に将来性がありチャンスだと思うんです。南島原のポテンシャルを生かして、この産地を一緒に盛り上げてくれる仲間を待っています!
アグリティーチャーリスト#3
■谷口さん
■経歴:みかん農家
■農業歴:約40年